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michiue columnみちうえコラム

菅原道真と梅の花の伝説

皆さんはこんな和歌をご存じでしょうか?

 

東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春を忘るな

(拾遺和歌集)

 

現代語訳すると、

「我が家の梅の花よ。東風が吹いたら私のいる大宰府まで匂いを届けておくれ。主人がいないからといって、春を忘れてはいけないよ。」

という意味になります。

 

この歌は学問の神様である菅原道真が大宰府に左遷され都を立つ時に詠んだ歌だといわれています。

 

伝説によると、道真は屋敷の庭にある木のなかでも、松、梅、桜を自分の子供のように愛情をもって育てていたようです。道真が都を去ると桜の木は主人が遠いところに行ったことを知り、悲しみのあまり葉を落として枯れてしまいます。

松の木と梅の木は道真の後を追うために空に飛び立ちますが、松の木は途中で力尽きそこで根を下ろしました。

 

梅の木だけは、道真の住む大宰府まで一晩かけて飛んで行き、降り立ち、現在も太宰府天満宮にある御神木・飛梅(とびうめ)として親しまれています。

飛梅は樹齢1000年を越えた今も、春になると真っ先に白い花を咲かせ、太宰府天満宮を彩っているんです。

 

梅の木をわが子同然に愛した道真。そしてそんな彼と生涯を共にした飛梅。

私達も道真以上に愛情をもって日々、梅の木たちを育てています。

そんな大切な木から収穫した梅で作った梅干しをぜひ、皆様ご賞味ください。